福島県立郡山北工業高等学校の快挙(2013.7.8)
福島県郡山市にある県立郡山北工業高等学校のロボット部が、
6月にスペイン・バルセロナで開かれた、ロボット開発技術を競う
「第4回国際ナノ・マイクロアプリケーションコンテスト」世界大会で準優勝を勝ち取った。
同大会で、日本の高校生の入賞は初めてのことだという。
出場作品は「Sma ROBO(スマロボ)」といい、
人の身体の動きに合わせ、自由に操作できるというもの。
原発内部で遠距離操作による作業を可能にする技術が施されていて
「原発の廃炉までの作業を短縮したい」という思いから開発された。
現在高校3年生の彼らは、
福島第一原発の事故が起きた当時に高校進学を迎えた。
原発事故の避難区域から転入してきた同級生もいて
「震災の混乱の中、自分たちの入学を祝ってくれる声は少なかった」という経験を持つ。
そして「福島県の工業高校生の力を見せたかった」という。
「ふくしまの子供たちを守れ」
「子供たちの心のケアを」
ありがたいことに震災後、多くの人が福島県の子供たちのことを憂えて、
さまざまな支援をしてくださっている。
そのことに多くの感謝と安らぎを得ている保護者がいることも知っている。
放射線に対する影響は、まだはっきりしていない部分も多い。
そのような状況の中、年齢が低ければ低いほど、 保護者の持つ不安も大きい。
それはわかる。
一方で、先に掲げた郡山北工業高校の生徒たちのように、
震災という苦難の中だからこそ、あえて立ち上がろうとした若者たちもいる。
この大会の成果から私は「福島の子供たちの未来は明るい」と思っている。
郡山北工業高等学校の生徒たちのニュースから
福島県の子供たちの状況を語るのは早計かもしれない。
でも明るい面を見て、前を向くことも、
私たち大人のできることの一つではないのだろうか。