被災地ガイドツアー養成講座を受講して(2013.9.30)
9月30日、いわき市合同庁舎を会場に開催された「被災地ガイドツアー養成講座」に参加した。
主催は NPO法人ふよう土2100 講師は、南三陸ホテル観洋 ネット販売課担当者渡邊陽介氏である。
氏は震災後の南三陸の語り部ツアーの現状と課題を話した。 渡邊氏の勤務する南三陸ホテル観洋では、宿泊者限定で被災地案内をしている。時間は8:45~約1時間。チェックアウトに間に合う時間に設定している。震災後から今まで、3万人以上を案内していたという。ホテルだけではない。南三陸町でも語り部はいる。震災から約3年がたとうとしている今、変わっている景色を見せながら、何をどう語っていくのかが、今の課題だという。
語り部として、渡邊氏が大切にしていることが3つある。
1.初めて訪れた人にもわかるように案内する
2.現地の写真を撮ることは構わない。むしろ、撮った写真を多くの方に見せることで、震災の記憶を多くの方に広めてください。しかし、被災地をバックにピースを見せるような、現地に住み続ける方の感情を逆なでするような写真はやめてほしい。
3.現地を案内する中で、自分の体験も交えて話すようにしている。
渡邊氏は、これらの体験を踏まえた上で、復興に向けて南三陸町が取り組んでいる様子を紹介した。
氏の講演後は、語り部として、自分が今、何ができるかを確認する上で、参加者それぞれの「3.11体験」を話した。実際案内するときのシミュレーションを兼ねるという意味あい。加えて、自らの体験以外に、集まった仲間の実体験を、被災地の案内の際に加えることができるからという意図があった。 いろいろな体験談があった。いわき市で開かれたワークショップだったが、あの日都内で震災を迎えた人、海外で震災を知った人、様々だった。被災者という呼称にも「津波を体験していない身には、そう思うことができない」という意見もあった。
あの日の体験を第三者に語ること。その意味と覚悟について、改めて考えさせられたワークショップだった。